天生牙、おまえは私に何を伝えたい。
父上、あなたは私に何を望むのか。
私は力を求めてきた。
あなたと闘い、あなたを倒し、あなたを超えることが私の望みだった。
そして、あなた自身でもある鉄砕牙を、己のものにしたかった。
けれど私に遺されたのは、癒しの剣。
父上、私の望みを全て断ち切ったあなたが、……悔しかった。
ようやく辿り着いた鉄砕牙。だがそこには、結界がはられていた。
死してなお、この殺生丸を拒むか。ならば私は解界するのみ。
それがあなたを超える、ただひとつの証。
あなたは私を拒みながらも、天生牙を覚醒させた。
天生牙の使い手になれというのか。天生牙が導く先に、何があるのか。
幼子を救い、他者の死を悼み、愛しきものを失うことの恐れと悲しみを知る。
慈悲の心が、天生牙を蘇生と闘いの二振りとした。
だが……すべては鉄砕牙のためだというのか。
愛しきものの命を犠牲にしようとしてまで開眼した天生牙を、捨てろというのか。
出来ぬ……!
すべてを無くしても、それでもなお、力を求める私を
父上、あなたは嘲うだろうか……。